子どもの未来をつくるあそび場 2015-2016
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4おり、遊ぶ子どものことを真剣に考えたあそび場だとはどうしても思えなかったのです。一番重要なことは、子どもが安心して遊べるような、あるいは友だちと遊べるような場所が数多く必要なのだということです。 子どもたちのあそび場は安全かつ清潔であり、存分に遊ぶことを通して、多様な経験のできる場でなければならない。日本の子どもたちの遊ぶ環境を、何とか豊かなものにしていきたい。そのような願いから、子どもが集い、遊び、学び、育つための環境づくりを目指して、ボーネルンド・グループは始まりました。未来にむけての「あそび場」のあり方 ヨーロッパ、特に北欧を訪問して感じることは、子どもの人格を尊重し、国民や社会全体で育んでいこうという思想が根づいていることです。それがよく分かるのは、保育所や幼稚園に限らず、子どもが遊んだり寛いだりできるあそび場が、実にさまざまな場所に設置されていることです。病院やショッピングモール、教会内のちょっとした広場、公共施設など、いたるところに子どものためのスペースがあるのです。 これまで35年間ご紹介してきた世界中の遊具、あそび環境、保育施設といった「かたち」は、私たちが当初から実現したいと考え続けてきた「理想のあそび環境」の哲学の表現にすぎません。「子どもの健全な成長に役立つあそび場の創造」という哲学さえ一貫していれば、その結果としてのかたちは、時代や地域、目的によって違ってくるものです。 子どもがいかに健全に発達するか、発育できるか。そのためにどのような環境を作っていくか。あるいはどのような社会的な構造をつくりあげればよいのか。私たち大人に課せられた重大な使命だと考えています。

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