子どもの未来をつくるあそび場 2015-2016
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社会とのつながりができる学びがある健康・健全になれるあそび場とはあそび人もの環境63. あそび場に求められるもの 2010年オランダで実施された子どもへのアンケート調査によると、「あそび場に求めるもの」は、上から「①もっとあそび場がほしい」「②もっと遊具がほしい」「③もっと安全性がほしい」という順番でした。根本的に遊べる場所が少ないことが分かります。これは日本でもまったく同じ状況でしょう。統計データでは、人口あたりの都市公園の数は増加しています。しかし、公園で遊ぶ子どもたちの姿を見ることはあまりありません。その上、「ボール遊び禁止」「走るな」など、公園は子どもの本能的なあそびを妨げるような空間になっているところも少なくないのが実態です。さらに、これからのあそび場に求められる要素は「健康・健全になる」「学びがある」「社会とのつながりができる」ことです。これらを満たすあそび場は、従来の公園、幼稚園の園庭など、特定の場所に限る必要はありません。商業施設でも、今後「あそび」の要素が見直されている小学校の校庭でも、都会の中のちょっとした路地でさえ、どこでも「あそび」が始まる場所になりえる。その可能性はまさに無限大です。 わたしたちボーネルンド・グループは、優れたあそび環境を日本の中に一つでも多くし、子どもの豊かなあそび体験をもっと増やすため、ますます活動の幅を広げていきたいと考えています。スウェーデン中部・スンツヴァルの運動場ひとは、勝手に育つのではなく、物に触れることの経験、そして環境からの影響を受けながら育ちます。それらを同時に体験し感じられるのが「あそび場」という空間です。

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