ボリー

ぶつかっても痛くない。ボール遊びの楽しさを すべての人に

ボーネルンドのあそび道具のなかで、ロングセラーで愛されているひとつが「しわくちゃボール」です。ボリー社のCEOユッタ・ハーヌスさんにその開発秘話をうかがいました。

しわくちゃボール誕生まで

 ギュッと握るとしわくちゃに小さくなって、手を離すと元に戻る。今から20年ほど前のヨーロッパのトイフェアではじめて見たときに衝撃を受け、魅了された不思議なボール。
 「しわくちゃボール」を開発したのは、ドイツのボリー社です。もともとはヒーターの中の部品を製造する会社として、1971年に創業されました。このボールが生まれたきっかけは、現在CEOを務めるユッタさんが幼少だった頃の誕生日会に、友人からプレゼントされたボールだったそうです。それは柔らかさと弾力性があるスポンジのような素材でした。
 それまでの野球やサッカーのボールといえば、「重くて、固くて、痛い」というちょっと怖いイメージがありましたが、ユッタさんのお父様は自社で製造していたヒーターの部品の素材を使って、新しいボールを開発しようと考えました。
 子どもの成長に応じたボール遊びが段階的に広がるよう、試行錯誤の末に誕生したのが、「しわくちゃボール」です。0才から100才まで、障がいのある人もない人も、すべての人が遊べる安全で高品質なあそび道具として、現在、ヨーロッパ全土で広く知られています。また、ボール遊びは目と手の協応動作の発達を促すことを重視し、信頼性の高いボリー社の製品を導入する幼稚園や小学校も多いそうです。

ものづくりへのこだわり

 コスト削減でスポンジの密度を低くして似せてつくったボールがありますが、ボリー社では外側から中身が見えなくても決して質を落とすようなことはありません。「自分たちで品質を管理できる規模でこれからもつくり続けていきます」と語るユッタさん。時代に流されず、その真摯な製品づくりの姿勢からも、子どもたちの健やかな成長を願って確かな品質のものを届けたいという想いが伝わってきます。ボーネルンドでは、そうしたつくり手の方々の想いも一緒に、「世界の優れたあそび道具」をこれからも子どもたちに届けていきたいと考えています。

  • オーストリア国境近くの美しい山々に囲まれた、ドイツのアルゴイ地方キスレックという街に本社と工場がある。
  • 大きな発泡素材の塊を削り出して製造する。
  • サイコロを削り出しているところ。
  • 工場で表面加工する前の「しわくちゃボール」。
  • ドイツでは幼稚園や小学校にも導入されている。

しわくちゃボール5つの魅力