「より質が高く、そして自由なあそびを創造すること」がジク・ホルツ社のモットー。同社は1988年に、ベルリンの南、ブランデンブルク州に設立されました。以来、地元で採れる木材「ロビニア材」を使い、この地で自然環境に優しい子ども向けの遊具をつくっています。220名のメンバーのほとんどは、木工彫刻家、家具職人、木工職人。自由な発想で創作活動を行い、すべて自分たちの手から、夢の世界を創造するマイスター集団です。子どもたちにとって最も優れたあそび場が“自然”であることは、いつの時代も変わりません。様々なからだの動きを促し、出会いとコミュニケーションの場、様々な体験と発見の場になります。しかし今、どこにそのような自然が残されているでしょうか。大人たちの都合で自然を便利さの犠牲にして、子どもから奪ってしまっています。「自然にならって徹底して木にこだわって遊具やあそび場をつくり、それによって、コンクリートと鉄でできた都会に野生を取り戻したい。」ジク・ホルツ社のマイスターたちは語ります。そんな彼らが生み出すあそび場は、手つかずの自然あるいはそれ以上に、子どもが自由に想像の翼を広げて遊ぶことができる、子どものあそびを際限なく演出してくれる舞台となるのです。
「木は、感性や感情に大きな影響を与えうる、ただ一つの特別な素材」。ジク・ホルツ社はそう考えています。人間は、木とともに生きてきました。また、木は人間とよく似た性質を持っています。様々な色合い、温もり、つるつるだったりざらざらだったりする表面、年輪に刻み込まれているその木の歴史・・・。だからこそ木は、人間の精神的、身体的、社会的な感覚に、人間的な温かみを持って寄り添ってくれます。木の特性を深く理解した上で生み出される木の遊具は、田舎の風景には自然と馴染んで自然体験をより豊かにします。コンクリートと鉄があふれた都会では、まるで失われた自然を補うように、「あっ」と思わず目がとまるような、他にないアクセントになります。