おしろらんど(甲府市子ども屋内運動遊び場)

山梨県甲府市

産学官の連携で実現した、運動あそび場「おしろらんど」

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「36の動き」を体験できるあそび場づくり
「幼児期に必要な36の動き」をご存知ですか。人間のからだの動きは、立つ、走る、投げる、跳ぶなど、36に分類することができます。運動神経系が大きく発達する幼児期に、この36の動きのうちできるだけ多くを体験することが大切とする、中村和彦さん(山梨⼤学理事・副学⻑)が提唱する考え方です。小学校体育の学習指導要領にも取り入れられています。

2021年4月24日土曜日、甲府駅にほど近いまちの中心地に「甲府市子ども屋内運動あそび場 おしろらんど」がオープンしました。「36の動き」を遊びながら自然と体験できるように考えられたあそび場です。子どもたちの体力・運動能力の向上を目指し、甲府市が設置、運営。設置にあたっては、甲府市、山梨大学、ボーネルンドが協働しました。

オープンセレモニーで山梨大学の中村和彦さんが「子どもたちは遊びながら様々な動きを体験して心と体が健やかに育ち、大人は子どものあそびの重要性やプレイリードの大切さを理解できる、おしろらんどはそんな場です。おしろらんどが、子どもの豊かな成長に役立つことを確信しています。」と語ったように、三者が持てる力を最大限に発揮し、素晴らしい環境が完成しました。

人口約19万人の甲府市でも、子どもの数は年々わずかながら減り続けており、子どもを元気に育てることは、市の活性化にとっても必要なことです。甲府市長の樋口雄一さんには、甲府市の子どもたちの体力・運動能力が全国平均を下回っていることに対する危機感がありました。
「おしろらんど」開設への道のりや今後の展望など、樋口市長にお話をうかがいました。

【甲府市長 樋口雄一さんインタビュー】
あそび場を目指すまで
「あそびと運動は、わたしたちが幼い頃は一体となっていました。川や野山を汗だくになって遊んで夢中になって笑い、日が暮れるまで野球をやった。そんな記憶があります。しかし今は、なかなかそういう場面が見られなくなっており、その影響が子どもたちの体力や運動能力の低下として、具体的な数値に現れはじめています。特に、甲府市の子どもたちの体力・運動能⼒が全国や県の平均値を下回っているという現状から、将来の子どもの育ちを大変危惧しておりました。

2018年に、甲府市の子どもたちの体力・運動能力向上について、子どもの発育発達学がご専門の山梨大学 中村和彦さん(現 同⼤学 学⻑)へ相談するなか、ボーネルンドを含むあそびや運動に関わる民間企業とともに 、 IoTを活用したスマート運動教育モデルの実現に向けた実証事業に関わりました。
この実証事業により、子どもの運動能力の向上に資する多様な動きの出現種類や回数は、プレイリーダー(子どもの興味や関心を引き出す状況を作りながら、運動遊びの先導役となる方)が存在することでより向上すること。また、運動遊びの環境が整った場所ではさらに有意に出現するとの結果が出たのです。これをきっかけに、プレイリーダーの幅広い育成と、あそび環境整備の必要性を確認し、運動あそび場の設置に向けて動き出しました。」

プレイリーダー研修会からスタート
「あそび場の環境整備には年単位の時間が必要だったため、まずは中村先生と協力し、市内保育士や幼稚園教諭、小学校教諭などを対象とした運動遊びプレイリーダー研修会をスタートさせました。この研修会は、受講者自らがそれぞれの現場でプレイリーダーとなって研修内容を実践することにより、子どもの“体を動かすことが楽しい、心地いい”という気持ちを高め、自発的に運動する機会を増加させ運動能力向上に繋げることを目指しました。並行して、運動あそび場の開設に向けた準備を進めました。2020年、「こども輝くまちをつくる」をスローガンとして「子ども・子育て支援計画」を策定するとともに、「甲府市子ども未来応援条例」を制定しました。
こうした取組みを通じて、甲府市全体として、子どもを元気に育てるための運動あそび場開設に向けた流れを加速させることができました。」

完成した「おしろらんど」
「子どもたちがワクワクする、本当に素晴らしい運動あそび場ができたと思っています。子どもが目を輝かせながらあそびに夢中になり、体力・運動能力の向上に繋がるものとしたい、という甲府市の考えをかたちにすることができました。デザインの面でも、甲府城の石垣やお堀を模したクライミングウォール付きボールプールや、特産品であるぶどうや苺をはじめ、盆地や富士山など甲府市の自然豊かな風景を取り入れて、郷土愛も感じられる空間としております。
また、この運動あそび場のプレイリーダーの役割として、子どものやってみたいという気持ちを自然に引き出すよう働きかけることによって、子どもたちはさらにたくさんの動きを体験することができます。それが体力・運動能力だけでなく、意欲の向上にもつながります。」

今後の展望―産学官の連携を継続
「おしろらんどを通じて、子どもの好奇心を刺激し“楽しい”という体験ができる“あそび”という切り口で、“子育ち支援”をより力強く進めていきたいと考えております。多少無理をしても痛くない、安全・安心だからもっとチャレンジしたくなる、子どもの“触れてみたい。やってみたい”という意欲を引き出す、そんな通年楽しめる屋内運動遊び場おしろらんどを、甲府の新たなランドマークとしたいと考えております。
よく遊ぶ子どもは、小学生になっても日常的に運動し、運動能力が高いという“持ち越し効果”があることから、おしろらんどでのあそびをきかっけに、たくさん遊んでもらい、子どもの体力・運動能力の向上のみならず、将来的なスポーツの習慣化や健康増進に結びつけ、健康都市宣言をした本市の未来を担う子どもの健やかな成長に繋げていきたいと考えております。

これからも産学官の三者で連携して、おしろらんどの活用を図るなかで、子どものあそびの質の向上に繋がる取り組みを行ったり、応援をいただいております地域や商店街などとの活動をすすめるなどしていきたいと考えています。」
ボーネルンドも、産学官が一体となって子どもの健やかな成長に資する環境づくりができたことに、大きな意義を感じています。これからも継続的に、プレイリーダーの育成指導や運営アドバイスを行い、協働をしていく予定です。

ご参考―利用者の方々の声
オープンの日にご利用なさっていた方々に、感想をうかがいました。

・「土日は祖母のわたしが孫の面倒を見ています。いつもつい、ダメ、危ない、と言ってしまいますが、今日はプレイリーダーが、クライミングに挑戦してできたことをほめてくれて、孫はますますやる気になって。それを見るのもうれしかったですね。祖母だと体力的にも大変ですが、ここでは孫は天候に左右されずに体を動かすことができ、わたしはそれをゆったりと見守ることができて助かります。」(8才のお孫さんの祖母)

・「まだ歩けないので室内で遊ばせることが多いのですが、あまり広い場所がありません。ここではハイハイを思い切りできて、子どももうれしそう。プレイリーダー が楽しいあそびを示してくれるのも、日常のヒントになります。」(1才のお子様のママ)

・「年子の子ども2人は、とても活発。公園はよく利用しますが、最近はマンネリ化してしまって。ここではたくさんの見たことのない楽しそうな遊具もあり、さらにプレイリーダー があそびの提案をしてくれるので、毎日でも通いたいです。」(4才、3才のお子様のママ)

・「普段から運動が好きな⼦もそうでない⼦も、みんながよく動き、汗をいっぱいかいて楽しそうでした。同じことを同時にやらせて、できるかできないかで評価するのではなく、それぞれの⼦どものぺースで⾃由にチャレンジしているのがいいですね。」(保育園園⻑)

写真1:からだ遊びを楽しむ子どもたちとプレイリーダー
写真2:城壁が描かれたクライミンウォール
写真3:郷土愛が感じられるよう富士山などの自然豊かな風景をグラフィックに
写真4~8:「アクティブエリア」で遊びながら「36の動き」を体験
写真9:ごっこ遊びや組み立て遊びが体験できる「ロールプレイエリア」
写真10:赤ちゃんの五感を刺激するしかけがいっぱいの「ベビーエリア」
写真11:右から、山梨大学 中村和彦さん、 甲府市長 樋口雄一さん、ボーネルンド社長の中西、会長の中西
写真12:あそび場の全体図

PHOTOS BY AYUMI NAKANISHI

自治体のあそび場/コンパン遊具設置のあそび場

2021年4月  /  〜1000㎡

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