京都大学医学部附属病院内 プレイルーム

京都府京都市

病院内に「居心地のよいオンリーワンのあそび場」を

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子どもたちが安心して治療を受けられる環境づくり
「プレイルームにかける宮本病院長の思いを、ボーネルンドに直接伝えたい」。2020年11月、京大病院からボーネルンド入った一本の電話が始まりでした。
京都大学医学部附属病院は、肺移植や肝臓器移植で日本一の手術件数を誇るなど、日本を代表する大学総合病院です。重い病気の患者さんも多く、小児病棟でも入院期間は半年から1年におよぶこともあります。現在、よりよい療養療育環境を整えるための大改修が行われており、2021年1月には内科系・外科系の小児病棟を北病棟4階と5階に集約し、小児に対する先進的な高度医療を提供する「こども医療センター」を開設しました。
同センターは、患者さんとご家族にやさしい療育環境、療養中の子どもが安心して治療を受けられる環境を目指しています。そのための主な取り組みが2つあります。1つは、京都芸術大学と協力したホスピタルアートで、受付や廊下をストーリー性のある手描きの壁画が彩ります。そしてもう1つが、プレイルームの整備です。院内で子どもが集い、憩い、遊ぶ場として、60㎡のプレイルームを、フロアごとに計2カ所整備することにしたのです。

決まっていたプランを変更し、よりよいプレイルームを
病院長の宮本享さんいわく、プレイルームには当初、家具や遊具を病院でセレクトして設置することが決まっていたものの、「せっかくやるなら、もっときちんとつくろう。ノウハウを持つ企業と組んでわくわくするような環境をつくろう。」と考え直したとそうです。そこで、あそびを通して子どもの成長・発達を応援するボーネルンドの考え方や、あそび環境づくりの実績を評価してくださり、ご連絡をくださったのでした。2020年11月にプレイルームづくりの相談をスタートさせ、2021年3月のオープンを目指すことになりました。

宮本病院長や小児科の滝田順子教授は、「プレイルームを、生活する子どものための環境として、いっしょに考えてつくっていきたい。当院小児医療科の特長は、様々な病状の子どもに対して様々な医療を提供していること。それにより、全国から患者さんが集まり、ご家族も泊まり込む。だから、生活の場にふさわしい、子どもの成長を助けるようなプレイルームにしたい。安全、安心を第一に考えた居心地のよいオンリーワンの遊びの場を作り上げてほしい。」というご要望をくださいました。これをもとにして、医師、看護師、チャイルドライフスペシャリスト、保育士など、小児科に関わる多様な皆さんがそれぞれの立場から、こう使いたい、こういう環境にしたい、と活発な意見交換が行われ、多様な意見が寄せられました。そのご意見をひとつひとつ検討をし、設計コンセプトに落とし込んでいきました。

チャレンジだった、大きな2つの課題に対する提案
本プロジェクトはボーネルンドにとって、新たな挑戦でもありました。設計を担当したボーネルンドの林、筑井、橋本は言います。

「プレイルームをプロデュースするにあたっては、大きな課題が2つありました。1つは、病院という緊張感のある場所で日常を過ごす子どもたちがどのような気持ちでいるかを深く考え、寄り添った空間をつくること。もう1つは、乳幼児から中・高校生くらいまでと幅広い年齢の子どもたちが、快適に過ごせる環境をつくることです。これはたくさんのあそび場をつくってきたボーネルンドにとっても新たな挑戦です。」(林)

「居心地のよい環境を実現するために、北欧にある『ヒュッゲ』という考え方を取り入れました。人同士が時間と空間を共有することで生み出される心地よい思いや幸福感を大切にするというものです。自宅のリビングのような世界観でデザインをして、温かみのある空間にしました。ご家族も一緒に寛げるように、子どもが遊ぶ姿を近くから見守れるベンチを設置しました。誰もが気軽に集まれるオープンな場所もあります」(筑井)

「幅広い年齢に対応する空間をつくるにあたって、年齢に応じたプレイルームの使い方を想定しました。年齢に応じたそれぞれの過ごし方で楽しめるよう、赤ちゃん用の『はいはい』、幼児用の『おままごと』、小学生用の『プレスクール』、中・高校生用の『コミュニティ』の四つのゾーンをつくることで解決しました。また、ゾーンの配置も工夫したポイントです。小さな子どもたちが入口の近くで遊んでいると、大きな子どもたちはプレイルームに入るのを遠慮してしまうのではないかと考えました。だから、小さな子どもたちの遊びの場は部屋の奥に、中高生の居場所は気軽に立ち寄れるように入口の周辺にまとめました。」(橋本)

安心安全と楽しさの、さらなる両立を目指して
「また、安心・安全な環境は、体調が万全でない子どもたちが集まる空間には必須です。そんな病院にプレイルームをつくる上で具体的にどのような設えが必要か、今回とても勉強になりました。例えば点滴を持ちながらでも安全に移動できるよう、広めの空間を確保すること。衛生面にも配慮し、遊具や壁面・床面は布素材のものを避け、汚れてもすぐに清掃しやすい素材や、防汚加工が施された素材を選んでいます。」(林)

こうして完成したプレイルームは、名称を入院中の子どもたちから募集し、4階「うきうき」5階「わくわく」と名付けられました。どんなときでも子どもたちが遊びながら自ら育つことができるような環境を、一つでも多く実現したい。このプレイルームはそんなボーネルンドの目指すことも体現してくれています。
プレイルームの活用は始まったばかり。完成はわたしたちにとってもゴールではなく、スタートです。これからも病院のみなさんと連携を続け、プレイルームの運営にも関わっていく予定です。


写真1〜3:明るい光がさす4階のプレイルーム
写真4.5:中高生が集中して学習できるエリア
写真6.7:乳幼児が座ってじっくり遊べるエリア
写真8:扉の横には 190㎝まではかることができる身長計
写真9〜11:京都芸術大学の学生が描いたホスピタルアートが施された受付と廊下
写真12:入院中の子どもたちが考えた名称「うきうき」が入口に

Photos by Ayumi Nakanishi

医療施設

2021年3月  /  〜300㎡

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